「プロデューサーさんお久しぶりでーす。すごいお腹でしょ?牛さんに沢山種付けしてもらって、雫はついに牛さんを孕みました!」
 
 数ヶ月ぶりに再会した彼女の腹は大きく膨らんでいた。
 彼女の格好は薄桃色のいわゆる検査着のみであり、その大きな腹が検査着を押し上げて股間があらわになっていた。
 話し方も彼女の醸し出す雰囲気も別れる前とは変わっていないだけに、彼女の口から発せられる内容とその格好が以前とのギャップを際立たせており現実感が全く感じられない。
 彼女の腹が大きい。アイドルとして致命的とも言える妊娠。それだけでもあり得ない事態なのに、相手が「牛」だという。
 「牛」という言葉が頭の中でこだまする。

 アイドル業界は浮き沈みが激しい。ひっそりと消えて一般人として生きるのはまだ上等な方だ。流されるままに風俗へと墜ちていく者までいる。
 しかし目の前の及川雫は沈む側ではなく、浮き上がっている最中でまさにこれからスターダムに上る所だった。なのに、牛から種付け、そして妊娠?
 彼女にいったい何が起こったのか…。

 数ヶ月前、彼女の予定に詳細が分からない長期イベントというものがねじ込まれた。
 社長に詳細を聞いてみたが「及川君のかねてからの希望が叶うことだ。」としか教えてもらえず、彼女の携帯にもつながらなくなった。
 そして今日、社長に知らされた場所を訪れ腹の大きくなった彼女に再会した。
 
 「じゃーん。これ今度発売する雫牛乳っていうんですよ?」
 目の前の彼女は嬉しそうに傍らから机の上に1リットル牛乳瓶を載せる。

 「雫牛乳?それって…」
 「そうなんですー。牛さんを孕んで漸く雫も母乳が出るようになったから、それを売り出すことになったんです!本当は直に搾りたてを飲んで欲しいけど、沢山の人に飲んで欲しいから牛乳瓶に入れて売ることになったんですよー。甘くて美味しいんですよ。飲んでみてください?」

 そう言って、彼女は牛乳瓶を両手で持ち差し出してくる。
 彼女の母乳?思わず彼女の胸を凝視してしまう。薄桃色の検査着の上からでも判るほど以前よりも大きくなった胸。その辺りにうっすらと染みができていた。

 「あ、そうか。プロデューサーさんには搾りたてのほうがいいですよね?」
 目の前の事態について行けず硬直していると彼女は検査着の紐を手早く解くと胸をさらけ出す。盛り上がった乳輪は艶めかしく乳首からじゅくじゅくと白い母乳がしみ出している。 v 「牛さんと違って乳首が短いから乳搾りにこつがいるんですよー」
 彼女はそう言うと右手で右の乳輪を搾り出すようにし、左手に持ったコップに母乳を注ぐ。

 「はい!美味しい美味しい雫特製牛乳、搾りたてですよー」
 コップを差し出され、思わず受け取ってしまう。
 ほんのり暖かい。直前に及川君から搾り出された母乳…。
 思わずゴクリの喉が鳴り、おそるおそる口を付けた。
 味はほんのり甘かった。

 ☆☆☆
 
 現実感がどんどん薄くなる。足場があるのか無いのかいまはもう判らない。
 しかし、これだけは聞かなくてはいけない。「長期イベント」とは何なのか…。
 「その、及川君。長期イベントっていったい何だったんだ…さっき牛に種付けと言っていたがそれと関係があるのか?」
v 彼女はその言葉を聞いたとき待ってましたとばかりに満面笑顔で話し始めた。
 
 「えっとですね。アイドルのお仕事は大変だけど楽しいって思ってたんですよー。でも牛さんと会える時間が少なくなってちょっと悲しいなーって思ってたんです。そんなときに社長さんが見てたホームページを偶然見ちゃったんですよー。」
 「社長が見てたホームページ?」
 「そうなんですー。書類を持って行ったら社長がいなくて、ちょっとモニター見たらそのホームーページが表示されてたんです。見た瞬間もぉー興奮しちゃって、いけないとは思ったんですけど、釘付けになっちゃったんです。」
 「それは…?」
 「ケモッ娘倶楽部っていうホームページだったんですけど、女の子が牛さんを出産してたんですよー? 雫、実家にいるときに内緒で牛さんと交尾とかしてたんですけど、どうしたって孕めなかったから画面の中の女の子がすっごいうらやましくて、社長が戻ってきたときに雫にもこのお仕事回してくださいってお願いしたんですー?」
 「それじゃ、長期イベントというのは、もしかして…」
 「ケモッ娘倶楽部でいっぱい牛さんと交尾して出産するためのイベントですよー。で、今日は雫のはじめての出産イベントなんです? もぉー朝から大興奮なんですー。」

 嬉々として長期イベントの内容を語る彼女。牛の出産がうらやましい?実家で牛と交尾?ほんわかした雰囲気を醸し出す彼女の口から出てくる言葉が信じられない。

 「最初は社長も駄目だって言ってたんですけど、本当の酪農アイドルになりたいんですって一生懸命お願いしたら社長も認めてくれて、長年の夢が叶ったんですよー。」
 そう言うと、彼女は机に置かれたノートPCを開くとブラウザを立ち上げる。
 ブックマークから「ケモッ娘倶楽部」を選択し、表示されたユーザー認証を手慣れた手つきで行う。
 「ほら、これ見てくださいー。これ雫の公開交尾の動画なんですよー? 」
 画面の中で褐毛の牛と交尾する彼女が映る。雄牛に突かれる度に彼女の豊満な胸が前後し汗が飛び散り彼女の嬌声が響き渡る。
 行為が終わって雄牛のペニスが引き抜かれると画面の中の彼女は上気した顔で、自分の中から引き抜かれたペニスを丁寧に丁寧にしゃぶり尽くした。その顔はどう見ても牝の顔だ。これがあの及川雫?
 「この牛さんが雫の旦那様の○○号で、もぉー本当に沢山交尾したんですよー。でも種付けされた日は判るから、ほらお臍のピアスに○○号の名前と種付け日が書かれているんですよー」
 そう言って彼女は出臍に付けられたピアスとそれにくくりつけられた札をつまんで見せる。

 「それとこの動画も人気なんですー。知ってます?牛さんの種付け検査っておしりの穴から手を入れて子宮を触って確認するんですよー。ケモッ娘倶楽部の雫は牝牛だから同じようにおしりの穴に手を入れて検診したんですー?」
 肛門から腕を入れられ涎を垂らしている及川君の姿が映る。もう何もかもが信じられない。
 
 「本格的なこの検査を受けられるように雫も頑張ったんですよ?フィストファックって言うんですよねー?最初は卓球ボールの大きさのアナルビーズからはじめて、最終的にはソフトボール大のものまでできるようになったんです−。あ、今も入ってるんですよー?」
 そういうと彼女は立ち上がり、おしりをこちらに突き出し尻の肉を手で開くように見せる。。若榴のように腫れ上がった肛門から白い球形がほんの少し顔を出し、その先から牛のしっぽのような房が着いた白黒の紐が垂れ下がっている。
 そして、陰唇にきらりと光るものが見えた。

 「あれ、そのピアス…?」
 「あ!嬉しい気付いてくれました?これ前にプロデューサーさんにもらったピアスなんですよ? 牛さんの子供を孕んだのが判ったときに嬉しかったから牛さんとの結婚記念にクリちゃんに着けてもらったんですー? 牛さんから指輪はもらえないからプロデューサーさんにもらったピアスが丁度良いかと思ったんですー? このクリちゃんピアスは牛さんとの結婚記念と酪農アイドルの心構えを忘れないためのものなんですよー?」
 
 初めてのイベント成功で、ほんのちょっとしたご褒美として彼女にプレゼントしたピアスが、彼女のクリトリスで輝く。牛との結婚記念として…。

 「牛さんとこれからもぉーっと交尾出産して酪農アイドルの頂点をめざしますよー?」
 
 嬉しそうに報告をする彼女は確かに俺の知っている及川雫に違いは無い、しかし牛との交尾を嬉々として報告しあられもなく局部を見せる彼女は俺の知っている及川雫とは違う。

 ☆☆☆
 
 あまりにも衝撃的でまるで現実感がないままに時が過ぎ、今スタジオの特別観覧席にいる。
 
 ステージ中央には胸と股間をあらわにしたホルスタインコスチュームを着た及川雫が居る。
 これから彼女の出産交尾ショーが始まる。
 
 「雫の牛さん出産交尾ショーへようこそー? 今日はこれから雫の初めての牛さん出産と、生交尾ショーがありますよー。それから今日から雫牛乳も販売されるからたーくさん通販ページから注文してくださいねー?」

 彼女は牛に寝取られたということになるのだろうか…。


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